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近藤 利幸; 宮内 賢二; 木村 之彦*; 大箕 英明*
PNC TN8410 92-018, 30 Pages, 1991/11
原子力発電に伴い生成する放射性ヨウ素溶液を正確に定量する方法としては、存在するヨウ素を還元剤で一度ヨウ素イオンに原子価調整する方法が一部で知られていた。しかし、再処理施設等で検討したデータ、レポート等の文献がない状況であったが、アスファルト固化処理施設での低レベル放射性濃縮液処理の過程で揮発するヨウ素を正確に定量する方法の検討を実施した。アスファルト固化処理施設の廃液中に存在する放射性ヨウ素は129Iのみであり、その存在形態は、ほとんどがヨウ素イオンであると考えられていた。しかし、最近ヨウ素イオンの他に相当量のヨウ素酸イオンが含まれていることが判った。そのため、従来行われていたヨウ素イオンに着目した分析法では、全放射性ヨウ素(129I)を評価するには十分ではなく、ヨウ素酸イオンも含めた分析法を確立する必要性が生じた。本報は、特に廃液中のヨウ素酸イオンをヨウ素イオンに還元した後、酸化してヨウ素(I2)として四塩化炭素に抽出し回収することを目的として分析法を検討したものである。その結果は、次の通りである。アスファルト固化処理施設の廃液中の全ヨウ素量の約90%を回収することができ、分析変動率(1)が10%以内で分析可能であり低レベル放射性濃縮廃液中の129I量の把握において有効な分析方法である。